小春日和の穏やかな日差しが心地よい季節となりました。清和の山々も紅葉に彩られて美しさを増していますね。今回は「第2期実感の循環学校」第5回イベントの様子をお送りします。
清和の暮らしとシゴトづくり実践事業「実感の循環学校」
https://seiwa-town.com/kurashitoshigoto/
午前の部:半兵衛炭焼塾さんから教えていただく古くから伝わる炭焼技術について
午後の部:猟師工房さんに学ぶ鳥獣害事業について
開催日:2024年11月17日(日)
場所 :猟師工房ランド
猟師工房 原田さん 登壇並びに開催場所のご提供をいただきありがとうございました。
午前の部:オプショナルツアー
半兵衛炭焼塾とは
千葉県君津市清和地区の市宿にある、昔ながらの土釜を使った炭焼きを体験できる施設です。
君津市清和地区の市宿にある「半兵衛炭焼塾」にお伺いし、代表の木曽野正勝さんと南田よう子さん(循環学校1期生)にお話いただきました。
江戸時代に相州からやってきて、土釜による炭焼技術を清和の地に伝えた常盤半兵衛。木曽野さんはその炭焼や炭を使った暮らしの文化と半兵衛さんの遺徳を後世に伝えようと、退職後にお仲間と「半兵衛炭焼の会」として活動を始め、約10年前から「半兵衛炭焼塾」として炭焼き体験による普及に取り組んでいるそうです。
南田さんは、昨年度の循環学校を通して木曽野さんと出会い、今年の4月から“弟子”として炭焼塾に関わるとともに、ご自身も炭を使った暮らしを実践されています。
木曽野さんはこの活動だけではなく、地域活性化の様々な活動に取り組んでいらっしゃって、そこでの人と人との出会いや移住につながっていったことなどもお聞きすることができました。
自家製の麦をつかった麦茶がとても香ばしく、炭焼のにおいと麦茶の香りと共に、あたたかな気持ちで「地域」で暮らすこと、「地域」と関わることについて、考えを深める時間になりました。
午後の部:猟師工房 代表 原田 祐介さん
猟師工房とは
ジビエの捕獲から加工、販売までを一貫して行っています。鳥害獣被害を抑えるために、代表の原田さんが設立されました。2023年4月にリニューアルオープンした猟師工房ドライブインでは、鳥獣害駆除された食材を100%利用し、美味しく感謝をもって食べられるような工夫が凝らされています。また、君津市の子供達向けに鳥獣害といのちの大切さをわかりやすく伝える「命の授業」も行っています。
半兵衛炭焼塾さんを後にし、次に向かったのは、同じく君津市にある「猟師工房ランド」。外資系アパレル会社から一念発起して趣味の狩猟を活かした、事業に取り組まれた原田さんから、鳥獣害に関する状況とご自身の事業内容および始められた経緯についてお話しいただきました。
鳥獣害被害は、周辺の田畑を荒らしたり、獣と地域の人が直接接触することによる被害などがあります。それらを抑えるための手段として狩猟があるとのことでした。
全国の鳥獣の駆除数は年間150万頭。その内、人に食べられている数は1万5千頭と駆除数全体の10%。ほとんどの駆除された鳥獣が廃棄されている現状でした。
駆除された獣をそのまま野山に放置しておくと、栄養価の高い肉に周りの獣が集まり、繁殖力を付けて獣の数と被害が増えるといった負の循環につながってしまいます。また、狩猟という産業が確立されておらず、新しい狩人が育たないことも1つの要因でした。
原田さんは駆除した鳥獣を正しく処理するべく、ビジネスとして狩猟を確立させるための仕組みづくりの一環として猟師工房を立ち上げられたとのことでした。冒頭には鳥獣の実際の毛皮にも触れさせてもらい、獣と人が共存していくためのバランスと”命をいただく”といった我々が日頃関わっている循環について改めて感謝をする機会となりました。
グループディスカッション:事業計画の進捗共有
第4回の事業計画発表での意見交換を踏まえ、さらに練りこまれた計画の進捗状況を伺いました。2期生の皆さんの内容は非常に作りこまれており、計画だけでなく既に実現されている方も多々見られました。既に畑から野菜を育てて、販売開始している方や、宿泊事業にて提供する具体的なサービス内容や利用されている明確なイメージを共有くださる方もいました。
まとめ
第1回は”視聴者”だった2期生の皆さんが、各回を経て、”事業者”の考え方や発言・行動に変わってきていることを実感しました。次回はいよいよ最終回第6回となります。2期生からの事業計画と進捗のプレゼンになります。2期生の皆さんがこれまでの考えたこと・実感の循環学校を通して実感したこと、学び得たことを聞けることが今からとても楽しみでなりません。